昆曲の伝道師·白先勇:四年掛け新版『玉簪記』発表
四年前、著名な台湾の作家、白先勇先生は記者の取材に対し、「昆曲と昆劇の『牡丹亭』のお陰で現在、私は多くの場所に顔を出して、至るところで托鉢をして歩いているようなものです。今まで昆劇を見たことのない若い人々が劇場に来て見ていただきたい。そのためなら何でもやります。」と話していた。
四年の日時を掛け、大変なご苦労の末、完成した作品、昆劇新版『玉簪記』が2008年11月8日に蘇州工業園区科技文化芸術センターで初めて上演された。中国各地や世界に先駆けた上演であった。

昆劇の伝道師、白先勇先生

『玉簪記』主演の兪玖琳と沈豊英
『玉簪記』は最も昆劇の真髄を表している
「『玉簪記』を選んで現代風に創ったのは、この劇が典型的な男女の恋愛劇であり、昆劇の真髄を表しているからです。」
明代の作家、高濂の『玉簪記』は、学生の潘必正と尼の陳妙常が道徳の観念を打ち破って成就する恋愛物語を描いている。
白先勇先生は劇中で「琴で愛を伝え、詩で愛を伝える」と言う文化人としての奥ゆかしい心情を観賞できるようにしている。「この劇は非常に優雅で、古代の文化人における必須の教養である琴、棋、書、絵など、全てのことが劇の中で読み取れるのです。」
昆曲は「曲の格調が高い」が「民衆と共にある」べきだ
『牡丹亭』ばかりでなく『玉簪記』でも、白先勇先生がずっと守り通しているのは、
現代舞台に伝統芸術を取入れる表現方法である。新版『玉簪記』の制作は極く簡素、写意(中国画の手法の一つ)、流行の面で更に一歩前進させ、昆曲の美学を更に一層叙情詩化の境界にまで高めている。このため、劇全体の風格が綺麗で上品な感覚を持たせるようにしたのである。
同時に白先勇先生は文化人としての心配事を語った。
「昆曲芸術の最大の憂慮すべき問題は伝承して行くことです。我々多くの芸術家は国宝といえるほど絶妙な演技を身についたが、そうした芸術家たちは間も無く一線を退いたり、すでに一線を退いてしまっているのです。それで私は今、大変に焦っているのです。私は芸術家たちに一生心血を注いだ芸を伝承してもらいたいのです。昆劇の仕事も継続させたいのです。継続させないと、ただ惜しいと思うだけではなく、一人の中国人として我々には継続させると言う責任があるのです。」
更に白先勇先生は、「『玉簪記』の目標は世界中で公演を行うことです。そしてこの劇を全国各地の大学で公演を行い、全国の大学生に昆曲を見せ、多くの観衆に昆曲を見習ってもらいたいのです。昆曲は「格調が高い」けれども、私は昆曲は出来るだけ「民衆と共に」あることを望んでいるのです。」と述べた。
(日本語訳/陶園路)