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(編者注)

    従来の方法を超えた仕方で新興産業の飛躍的発展を促すことは蘇州工業園区産業転換の突破口となる。先日、蘇州市委員会常務委員で園区工作委員会書記馬明龍氏は次のように発表した:ナノテク産業を園区の戦略的産業とし、ナノテクノロジーによって多くの新興産業を「こぶし」に結び合わせて、5年から10年をかけて園区が全国、ひいては世界に名を知らせるナノテク産業基地となるように努力する。将来、ナノに言及するとき人々がまず思い浮かべるのは蘇州、そして園区となるのである。
    これは規模が整ってきた園区ナノテク産業を基礎とした戦略方策である。バイオナノテクパーク(bioBAY)と中国科学院蘇州ナノテク研究所によって、園区にはすでに多くのナノテクイノベーション資源と産業資源が集まりつつあり、国内一流のナノテクプラットフォームも出来上がっている。2000人を超える各方面のナノテク専門人材が集まり、そのうち10%以上をハイエンド人材が占めている。さらに分野によっては最先端の産業技術をすでに持っている。
    ナノで負けるものは未来に負ける、ともいわれる。ナノは10億分の1メートルというわずかな長さである。この小さな「距離」を超えて、ナノ専門家の探索経験とナノ企業の創業過程に耳を傾け、園区のナノテク産業発展の現状をその目で見、未来像を想いに描いてほしい。

 

    蘇州工業園区が世界金融危機の難局を乗り切って、新たな局面を迎える準備が整ったところに、さらにまた激しいハイテク競争の「難局」が訪れた。無錫の「感知中国」は「モノのインターネット世界」の歩みを速めており、泰州は中国「製薬業の都市」の建設に力を注いでいるところで、南京のソフトウェアも少しずつ規模と強度を増している。
    最も直接的な影響と言えるのはすぐそばの昆山である。昆山の液晶ディスプレイ産業の発展は勢いを増している。小核酸産業は国内トップクラスの人材と企業がほぼそろっている。3月末に開かれた蘇州市工業構造調整・最適化アップグレード会議で、昆山経済技術開発区は蘇州が2010年に設立建設する唯一の4000億元以上の工業園区となることが示された。一方、園区は3000億元クラスの開発区に含められている。今年1月から4月にかけての主要経済指標7項目のうち、昆山が5項目において蘇州市トップだった。昆山は今や園区に追いつき追い越す勢いを見せているのだ。 [詳細]

厳しい情勢の中、3月28日園区では新年第一回転換アップグレード推進大会が開かれた
 
 
    無錫のモノのインターネット、泰州のバイオ医薬、南京のソフトウェア…周辺地域で形成されている「産業ランドマーク」は蘇州工業園区にとって大きな圧力また挑戦となるだろうか。園区発展に即した実際的で産業高地を攻略でき、園区の特色と優位性を十分生かせる旗印となるような新興産業の速やかな確立が急務となっている。
    広く優勢だとみなされているナノテクノロジーが園区の戦略的視野に入った。5月13日、馬明龍氏が司会した園区工作委員会の会議において園区ナノテク産業の発展が特定テーマとして討論された。討論を通して会議は、ナノテクノロジーを園区重点発展の戦略的新興産業とし、重点を際立たせ、資源統合・飛躍的発展・優勢形成により5年以内に園区を世界に名の知れた、中国最高のナノテクイノベーション地・ナノテク産業基地に作り上げるよう努力を傾けることで一致した。
   この戦略は国家ナノテク科学センター主任で中国科学院副院長の白春礼氏の強力な支持を勝ち得て、白春礼氏が園区ナノ産業発展の主席顧問を務めることになった。  
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5月30日に開かれた転換アップグレード大会において、ナノテク産業の発展は会議の重要な内容だった。
 
 
    新経済の形勢のもと、蘇州工業園区は伝統的な産業のグレードアップを図りつつ新興産業を進軍させており、ナノテク産業を核心とし新エネルギー・バイオ医薬・通信融合・クリエイティブ産業などの新興産業で周りを固めるという構造が形成されてきている。
    多くの新興産業の中で、園区はなぜナノテク産業を戦略的産業に選んだのだろうか。
    2006年に園区はすでに電子情報産業国家クラス基地になった。一つの産業発展がようやく終わったというときにも、園区は国際産業転換の機会をしっかりととらえており、IT業界グローバル企業と民営企業の関連産業を集中的に園区に招致してきたのである。
    「我々地方政府は繰り返し深く考えてきた。この先の経済発展において我々の業務のどこに力を入れるべきか、基礎を固めて広く発展するための力点、探している新経済の増加点はどこにあるのか、と。」当時園区科技局の局長を務めていた夏芳女史はこう述べた。 [詳細]
バイオナノテクパークの飛躍的な発展は園区がナノテク産業を戦略産業としたことに自信を与えるものとなった
 
 
 
    ナノ、それはわずか十億分の1という単位。その距離を超えて新たな世界に踏み込むこと、それが園区の未来を決める重要な一歩なのである。
    2010年2月4日、ナノ産業の報道メディアNanoGlobeがアジア新聞でバイオナノパーク(bioBAY)に対して行なったインタビューに世界が注目した。その報道にはこのようにあった。オープンからわずか2年半というバイオナノパークが、すでに300件を超える特許を有しており、40%近くの特許はナノテク関連企業のものである。世界経済が依然として安定しない状況のなか、初期のナノテク企業にとって心強いのは、バイオナノパーク内の納維生物(Suzhou Nanowin Science and Technology Co., Ltd (NANOWIN))や納通生物(Nano-Micro Technology co.,Ltd)などの企業がすでに、世界のナノテク市場でその技術を披露できるまでになっているということである。
   今年初め、フランス パリ大学博士の徐百氏が創立した納通科技社とソフトバンク中国が融資協議に調印した。これは納通社の急激な発展期の到来を示すものである。
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納通社の創始者で園区第2回科技リーダー型人材にも選ばれた徐百氏
 
 
 
    蘇州工業園区はナノテク産業発展の良好な環境がそろっており、バイオナノテクパーク、中国科学院蘇州ナノテク研究所という二つの一流媒体と強力な人材の支えがある、と人々は言う。さらにナノテク研究の一流科学研究プラットフォーム――国内最大の投資規模と最高の技術レベルを誇るナノ公共技術サービスプラットフォームがあるのである。
    このプラットフォームは中国科学院蘇州ナノテク研究所内に設立され、投資額約1.2億元で、ナノ加工とナノ試験分析プラットフォームを含んでいる。ナノ加工プラットフォームはマイクロナノからナノクラスの加工精度を誇るもので、実験室からパイロットスケール実験の加工能力までを備え、ナノ電子部品、ナノ光電子部品、光機電システム、バイオチップ、ナノ製造などの分野のニーズを広く満たせるようになっている。試験分析プラットフォームは成分、構造、光、電気、熱、力、磁力などに対応した全面的な分析試験能力を備えている。そのうちナノ加工プラットフォームは国内で唯一4インチ・6インチ互換性MEMS(微小電気機械素子技術)加工技術を持つ施設となっている。 [詳細]
園区には世界一流のナノ加工プラットフォームがある
 
 
 
   蘇州工業園区独墅湖科教イノベーション区若水路398号、ここは中国科学院蘇州ナノテク・ナノバイオニクス研究所の所在地である。そのわきにある建物群はバイオナノパークだ。若水路は間違いなく園区のナノテク産業の集中地となっている。
    門戸を開き人々を迎え入れる:3年で200名近くの博士号所持者を集め、ナノテク研究所は園区人材の新たな要地に
    「国家」の名を冠した科学研究機構の「金色の看板」、一流の研究環境、学校・地元による共同建設、産業化重視などの一連の要素により、蘇州ナノテク研究所は園区でハイレベル科学研究人材を引き寄せる強力な「磁場」となってきた。2010年5月までで、蘇州ナノテク研究所職員の規模は547人になっており、科学技術スタッフ、サポートスタッフ、管理スタッフの比率は7:2:1である。博士号所持者が184名で、副教授以上の研究スタッフの90%以上が海外留学経験者だという。  
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園区には崔錚氏(「千人計画」の入選者)を含む2000名近くのナノテク専門人材が集まっている
 
 
 
    ―産業が都市を支え、都市が人口を集める。どのような人が集まるかは産業によって決まる。
 世界中の幾万を数える都市の中にあって、他にはない都市文化を形作って初めて人々の心に刻まれるものとなる。例えばウィーンと聞けば音楽が耳に響き、ベニスと聞けば水郷の香りが漂ってくる。もしくは自動車の街デトロイト、ソフトウェアの都市バンガロールなど、強いメッセージを発する産業基礎の上に造り上げられた都市もある。
     現在、蘇州工業園区におけるナノテク産業の戦略的地位は高まっている。将来の園区はナノテク産業の代名詞となるのだろうか。
この先の5年間、園区は100億元の資金投入を行なうことにしており、それに続いてナノテク産業のスピーディな発展を促すための、一連の重大措置をとるということだ。これらの資金はナノテク技術産業研究院、ナノテク技術大学科技園、ナノテクイノベーション インキュベート基地、ナノテクノロジー産業化基地など合計250万平米
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将来、ここは「ナノの都市」になる
 
 
        人々が先行き明るいとみている先端科学、ナノテクノロジー。その最大の価値はどんな学問分野とも入り交じって新たな産業や分野を生み出すという点である。これはまた人々がナノを非常に不思議だとする要因でもある。蘇州納微科技生物(ナノマイクロ)有限公司はこの「不思議」を十分に推し広げてきた。納微の3000種以上の製品は、バイオ製薬、疾病診断、環境モニタリング、浄化処理、液晶ディスプレイ、化粧品、ペンキ塗料などの多くの分野で応用できるものである。
     江必旺氏が創設した納微科技は2008年から蘇州バイオナノテクパークで操業開始して以来、同社が開発してきた液晶ディスプレイミクロスフィア技術などの技術・製品はすでに多くの分野で国外企業による長期的独占状態を打破してきた。また納微科技は多くの技術において中国国内のバイオ医薬、電子情報、新材料などの分野の空白域を埋める働きをしてきた。
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納微科技創設者の江必旺博士
 
 
    新興産業チェーン、それは今の時代「経済発展方式の転換」と同じほどホットな言葉である。産業チェーンの川上・川下を掌握し、巨大なバリューネットワークを構築して初めて、このチェーン競争の真の勝者となるのである。
    産業の「リーダー」を引き付ける
    LED、それは電気を直接光に変換することのできる半導体部品である。現在、照明産業は第三次革命を迎えている。ほかならぬLED照明が省エネ、耐久性、エコロジーなどの優勢により、今のところ最も理想的な人工照明となっているのだ。世界が気候変化やエネルギー不足への対応を迫られている中、LED照明の発展は著しく、世界生産額の増加率は毎年20%以上をキープしている。
しかし、核心技術や産業チェーンの川上分野に欠け、長きにわたって外国に独占された状態が続いてきたことが、中国LED業界の発展を阻むネックとな
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盟泰励宝のLED照明製品は通常の照明と比べ消費エネルギーを80%カットできる
 
 
       全国ナノテクノロジー・産業の要地として、蘇州工業園区内には中国科学院蘇州ナノテク研究所などのハイエンド研究開発機構、バイオナノテクパーク、さらには大多数に上る関連企業が集まってきている。まさにこれらの機構・基地・企業がナノにかかわる製品を次々に開発し、一つまた一つと奇跡を生みだしているのである。
    ナノ粉末でもろい陶磁が包丁に
     陶磁器は非常にもろく壊れやすい。しかし陶磁器の焼成時に酸化アルミニウムナノ粉末を加えると、焼成時の温度を200度以上下げることができるだけでなく、陶磁器が堅く割れにくく仕上がる。これにより刃物類に加工し、果物や野菜や肉を切ることさえできるようになる。
    この酸化アルミニウムナノ粉末を生産している企業は、蘇州華微特粉体制作有限公司という。現在この会社の生産ラインはすでに設置・調整が済み、生産段階に入っている。
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華微特が研究開発、生産するナノ粉末
 
 
    ナノテクノロジーは他の先端科学と同じく、トップ人材を有する者が最先端の要地を攻略できる。蘇州工業園区が全力で建設している国家ナノテク国際イノベーションパークの集約効果が現れてくるに従って、さらに多くの国内外ナノ科学者が次々に加盟しており、将来の園区のナノテクノロジー発展集約に最良の基礎と手堅い環境を作り出している。
    6月5日、中国・アメリカ華人ナノ科技フォーラムで、蘇州工業園区はナノテクノロジーを区域戦略的新興産業として発展させることを正式に宣言し、5年から10年をかけ園区を全国また世界に名を知らしめるナノテク産業基地とすることを発表した。この決定は会場の多くのナノ専門家から支持され、その中にはアメリカ側の主席 楊培東氏も含まれていた。
    楊培東氏はアメリカ カリフォルニア大学バークレー校の終身教授で、国際半導体ナノ導線分野の創始者のひとりでもある。2007年、楊培東氏は蘇州ナノテク研究所の招待に応じた。2008年7月、楊培東氏が主催する実験室が正式に運用開始とな
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中国科学院蘇州ナノテク研究所 研究員の楊培東氏
 
 
       一流の科学研究設備は研究活動展開を保障する最も基本的な要素である。蘇州工業園区ではナノテク研究所とバイオナノテクパークを主体としたナノテク産業基地、厖大な計画によって建設された世界トップの科学研究設備をもって産業発展を進める堅固な基礎としている。
      早くも3年前ナノテク研究所建設業務が始まった時、研究活動のスムーズな発展を保障するため、ナノテク研究所では毎年100万近くの資金を投入して北京半導体研究所の設備ひとそろいを借り上げ、設備の基幹技術養成と研究業務発展のために良い下地を作った。またこれによりナノテク研究所は蘇州市初の科技部973(国家重点基礎研究発展計画)プロジェクトを担当することになった。
      これは縮図にすぎない。国内唯一の4寸・6寸兼用MEMS(マイクロマシン)加工技術のナノ加工プラットフォームを例に挙げてみると、このひとそろいの設備
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現在国内で唯一、最高の配置のMBE装置
 
 
    蘇州工業園区がナノテクノロジーを核心新興産業としてから、あまり見たことのなかった一つのロゴマークが人々の目に入るようになってきた。それは「中国」と「ナノ」の英単語を組み合わせたロゴ「CHInano」である。それがあらわす意味は「国家ナノテク国際イノベーションパーク」で、蘇州工業園区にある。
 2007年11月、国家科技部、商務部と江蘇省政府が共同で建設した国家ナノテク国際イノベーションパークが園区に誕生した。このイノベーションパークの正式開業の日から、園区は全国ナノテク産業発展の最前線に押し出された。この時から国家ナノテク国際イノベーションパークは蘇州にこれまでにないナノテク発展の地位をもたらしたのである。国内ひいては世界の先進ナノテクノロジーはまず蘇州で生まれるか導入され、産業化応用技術に移行された後、全国に向けて広がっていくのである。
     蘇州国家ナノテク国際イノベーションパークは全国で3つ目、江蘇省
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国家ナノテク国際イノベーションパークのロゴ
 

    21世紀に入って、マイクロテクノロジー発展が極限に近づき、ナノテクノロジーが今世紀の主導的技術へと取って代わったというのが一般的な見方である。長年にわたり蘇州工業園区は先を見越したレイアウトにより、ナノテク産業発展を迅速に進め、全国ナノテク産業発展の最先端地区となったばかりか、業界で頭角を現し始め、世界でもますます頻繁に園区からの「ナノの声」が聞こえるようになってきた。
    彼女が、園区ナノテクパークを代表してハーバードの演台に立った
    4月17日土曜日の朝、アメリカ ハーバード大学が年に一回開催するハーバード中国評論が開催されていた。そのうち講演者の一人、その日唯一の女性貴賓はまさに蘇州バイオナノテクパーク(bioBAY)から来た劉毓文社長だったのである。講演の中で劉毓文社長は流暢な英語でバイオナノテクパーク設立以来の成果を紹介した。
    劉社長の講演が終わると会場はひとしきり大きな拍手に包まれた。 [详细]

バイオナノテクパークの劉毓文社長

 
    6月16日、国家ナノテクイノベーションパークの核心区域であるバイオナノテクパークと中国科学院蘇州ナノテク研究所が一人の特別なお客を迎えた。全国政治協商会議副主席で科技部の万鋼・部長である。3年前、万鋼・部長は自ら蘇州工業園区に赴き国家ナノテク国際イノベーションパークでプレート除幕を行なった。たった3年という短い間にここが国家ナノテクノロジーの最前線になったことは、その時、誰も予測していなかっただろう。
    3年ぶりに蘇州を訪れた万鋼・部長は、二つのイノベーション施設を視察して非常にうれしげな様子で、そこを離れる前にバイオナノテク研究所で「進取の気性に富み、特出を追い求めよ」(鋭意進取、追求卓越)との文字を喜んで書いた。
    これはナノテク研究所に対する肯定的な評価と励ましであり、またこれからの蘇州ナノテク産業に対する強い期待の表れでもある。 ...
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万鋼氏は視察の際に蘇州ナノテク研究所のここ数年の発展を肯定的に評価した
 
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